Santa Rosa

Costa Rica /White Honey

サンタ・ロサ/コスタリカ/ホワイトハニー

チェリーやレモンのような果実味と、 ブラウンシュガーのような甘さ、クリーミーな質感

-Profile

栽培地:タラス、ジャノボニート・デ・レオンコルテス
標 高:1775-1900m 
農園名:ラ・コンチャ・ミル/サンタ・ロサ農園
生産者:ヒメネス・ファミリー
品種:ティピカ

-Story

次世代を担うコーヒー生産者/家族経営の小さなマイクロミル
ラ・コンチャマイクロミルは、タラス西側レオンコルテスに位置する小さな家族経営のマイクロミルです。ミルを営むヒメネスファミリーは、2010年ごろよりマイクロミルを設立し、意欲的にコーヒー生産を続けてきました。設立当初は、マイクロミルという言葉自体がこの土地に広がりだした時期で、いくつかの農地を持つ中規模の生産者家族(一族)がマイクロミルを設立してスペシャルティコーヒーの生産に取り組んでいた時期でした。2015年を過ぎると、家族経営の小規模なマイクロミルを設立する農家も多くなりましたが、ヒメネスファミリーは、まさにその先駆けとなったミルでもあります。その分、多くの苦労がありましたが、品質に特化したコーヒーの生産は彼らにとって希望であり、大きな挑戦でした。

若き生産者の挑戦
現在は、息子のブライアン、フアン・カルロスの兄弟が中心となり、若い世代にバトンタッチしています。農園の位置するジャノボニートという地域は、市街地からは離れた土地で、特に若者の農業離れ、高齢化が大きい問題となっていたそうです。この土地の伝統的なコーヒー生産を次世代に繋げたいという強い想いが、彼らの高いモチベーションに繋がっていると言います。ミル設立初年度は、23KGで10カートンにも満たない小さな生産量でしたが、5年、10年と努力を続ける事で、少しずつ農地を広げ成長をしてきました。サンタ・ロサ農園は、約4000本のティピカを一から育てた農園で、ラ・コンチャのアイデンティティが詰まった農園です。このティピカは、訪れた多くのバイヤーを魅了し、消費国との大きな繋がりを生んだきっかけにもなりました。

ホワイトハニーへのこだわり
収穫したチェリーは、自宅のすぐ下に作ったウェットミルと乾燥場で生産処理が行われています。レオンコルテスのマイクロクライメットが生み出す明るく爽やかな風味を存分に生かせるようにプロセスはホワイトハニーにのみに注力し、山から風が吹き下ろすロケーションを活かしながら10日~14日ほど。手間を惜しまず攪拌と選別を徹底しながら理想的な水分値に仕上げていきます。清潔に保たれたミルには、まるでバニラのような甘い香りが漂い、素晴らしいコーヒーが生産されていることを実感させます。

今では彼らを追いかけるように、このレオンコルテスの高地に多くの農園・ミルが誕生し次世代の担い手がコーヒー生産に取り組む姿を見る事ができます。そんな礎を築いたラ・コンチャ・ミルは、今でも自分たちの手の届く範囲で、丁寧にクラフト的なコーヒー生産を大切に、魅力あふれるコーヒーを生み出しています。