生産処理:
1 小規模農家が収穫したチェリーを近隣の水洗工場や販売
所に搬入、熟度の良いものを工場のタンクに投入
2 チェリーはマッキノン製のディスク式パルパーで皮を剥き、水流によってパーチメントをP1、P2、P3に比重選別(写真右)(P1が重く、最上級。)
3 パーチメントは醗酵槽に導かれ、そこで約36~48時間の醗酵処理
4 表面の滑りがパーチメントから剥離する段階で、水路で水洗い
5 約半日のソーキング後、パーチメントの水を切り、アフリカンベッドで天日乾燥 6 パーチメントの撹拌と欠点除去を行いながら、12~15日間掛け乾燥を仕上げる
7 脱穀工場でドライミリング後、精製不純物除去、脱殻、比重選別、ハンドピックを経て、最終精製された生豆を麻袋に充填、輸出
日照の強い11~15時の時間帯は、パーチメントをビニールシートで覆います。これは、パーチメントを護ることと急激な乾燥を防ぐためです。標高が高い上に、赤道直下のこの地域では、日照が強すぎるとチェリーやパーチメントにダメージを与えて、味に濁りが出てしまいます。また、通常の乾燥日数が8日間のところ、12~15日間掛けてゆっくり乾燥を進める(スロードライング)ことで、コーヒー内の水分を均一化させ、複雑でありながらクリーンな味わいを作り出しています。緩やかな乾燥は、消費国での生豆の保存性にも大きな影響を及ぼすことが分かってきました。
乾燥後、脱穀された生豆は、機械選別後、ハンドピックにより選別され、高品質FWコーヒーが完成します。方法はシンプルですが、人の力が品質を大きく左右します。 イディド・トゥルセは、アドマスさんを中心とした4世代の家族とその親戚、関係する生産者によって作られたコーヒーです。イルガチェフは基本的に1ヘクタール程度の小規模な生産者が水洗工場にチェリーを搬入するスタイルですが、こちらのアドマスさんは数ヘクタールのプランテーションを所有し、更に水洗工場を所有する企業家でもあります。 品質向上に熱心に取り組む姿勢はBNTの方向性に合致し、直ぐにパートナーになったようです。スミレなどの花の香りに加え、豊かな質感が心地よい素晴らしいイルガチェフコーヒーです。